仏壇の種類

「金仏壇」

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極楽浄土の荘厳を表す壮麗な仏壇  
木地(きじ)に漆(うるし)を塗り、金箔を張りつめた仏壇を「金仏壇」とか「漆塗金仏壇(うるしぬりきんぶつだん)」といいます。
材質は主として、檜(ひのき)、杉(すぎ)、欅(けやき)などです。
現在のような仏壇は、江戸時代に浄土真宗の蓮如上人が真宗門徒に対して各家にお仏壇を安置するよう説いてまわったのがはじまりといわれます。これらはすべて金仏壇でした。
浄土真宗では、仏壇は位牌を安置したりするためのものではなく、阿弥陀仏の極楽浄土の「荘厳(しょうごん)」(仏の徳を表わす麗しい飾り)をそのまま表わすという考え方が徹底しているので、特に仏壇には華美をつくす傾向があるようです。
内部には「荘厳づくり」というみごとな細工が施してあり、安いものでも数十万円、高いものは数千万円します。
また、仏壇は先祖の位牌をまつるものだと考えてる人がいますが、そうではありません。仏壇はその名のとおり、仏をまつる壇で、もとは仏像を安置する「厨子(ずし)」から発達したものといわれます。したがって、仏壇の中央・最上段には「本尊(ほんぞん)とする仏像などをまつるのが正解です。位牌を置く場合は、本尊の両脇か、つぎの下の壇にします。


「唐木仏壇」

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素材の美しさを活かした仏壇  
明治時代になると、浄土真宗以外の宗派でも、各家庭に仏壇を安置するようになりました。はじめは、金仏壇を安置していたようですが、各宗派が独自性を出すために唐木の仏壇が生まれました。また、戦前になると金が不足になり唐木仏壇が広まるようになりました。
木材の材質をそのまま生かした唐木仏壇は磨き抜かれた木目の美しさが特徴で、落ち着きのある印象を与えます。
材質は黒檀(こくたん)、紫檀(したん)、カリン、クルミ、桜、タガヤサンなどの唐木(からき)を使い、奥の壁に少しだけ金箔を用い、渋好みにしてあります。 関東以北では、ほとんどが、この様式を使っているようです。

参考文献:日本人の「仏教のしきたり」ものしり辞典(大和出版)
posted by ごくらくや at 12:59 | 豆知識

お仏壇のかざり

お仏壇に描かれている蒔絵(まきえ)

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お仏壇には一段と格調高い優雅さをそえるのが、四季の絵柄の蒔絵(まきえ)です。うるしで文様(もんよう)を描き、それが乾かないうちに金、銀、錫(すず)などの金属粉や色粉を蒔(ま)きつけたものです。蒔いて絵をつくるところから「蒔絵」と名付けられました。
ご本尊を安置し、その上側になる部分は天になり、下側は地上をあらわします。ですから、天には天にふさわしい図柄、地上には地上にふさわしい図柄が描かれています。
引戸は、もちろん地上の位置になります。ですから、地上の平和のシンボルともいうべき花々を描き、さらに下の位置になる引き出しには水鳥を描きます。これは極楽の池の水鳥樹林をあらわします。ふつう、日本の豊かな季節を感じさせる花や木である桔梗(ききょう)、梅、牡丹(ぼたん)、松、楓(もみじ)、蓮(はす)、菖蒲(あやめ)、菊などを図案化します。
純金箔のお仏壇の内部にあって、漆黒の上に描かれた蒔絵は、お仏壇の品位を一段と高めます。


金具の文様(もんよう)

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仏教の工芸品には、本尊の入る厨子(ずし)とか笈(きゅう)(山伏の負うもの)に金具がありこれが独特の芸術品完成を示しています。
仏壇の金具も、お仏壇をよりいっそう強くし、豪華に引きたてるためにつけられてます。いたみやすい部分を補強して耐久性を高めたり、飾りとして全体の調和を深める役割を果たし、実用と装飾を兼ねたものです。
たとえば、あるお仏壇には、百八十五個もの金具がついています。ひとつひとつが定まった位置につけられ、そこだけしか納まらない個性的な絵柄と形をしています。どれかひとつをほかの位置に置きかえることもできませんし、ひとつも欠くことができない厳格さです。百八十五個が一組になって、全体を整えているのです。
お扉、お障子、ご宮殿をささえる柱などについているのは「箱型金具」です。寺院の柱などにも使われている唐草文様(からくさもんよう)使われています。
絵柄はご宮殿の上の長押(なげし)の部分に雲と鶴(つる)など、須彌壇(しゅみだん)をささえる中段の部分には菊花などが描かれます。小さな金具のひとつひとつにも、ご本尊を中心とした天と地の配置が考慮されているのです。
透かしによる立方体を浮彫り、繊細な線、厚く、薄く、しかも強く、直線の鋭さと曲線の優雅さが織りなす小さな芸術品といえます。

参考文献:「仏教おもしろ雑学(梧桐書院)」
posted by ごくらくや at 12:57 | 豆知識

仏壇におまいりする時

初めてお仏壇を購入したら、どんなときに手を合わせたらよいのでしょう。ここではカンタンに説明します。

<毎朝>
朝起きたら、まず第一に顔を洗い、心身をきよめてから、ローソクに,あるいは電気の灯にあかりをともしてください。これで、お仏壇の仏様とご先祖が私たちと一緒に目をさまして、生活を見守ってくださるのです。


<毎夕>
夕食前に手を合わせます。これで、今日一日のいやなことも忘れることができます。


<敬老の日>
日本人の寿命がのびて、世界で一位とか二位とかになったはずです。うれしいことです。長生きして、孫や子供に囲まれているおじいちゃん、おばあちゃん。幸せな光景です。九月十五日は敬老の日。お祝いの品を贈るのもよいでしょうが、まだまだ長生きしていただくように、いつまでも家族仲良く暮らせるように、お仏壇に手を合わせて、ご先祖の加護をいのりたいものです。


<十五夜>
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にぎやかなおまつりにくらべると、ささやかなものですが、十五夜は私たち日本人の情緒にぴったりの行事です。農民はこの夜、新しい稲の穂を庭先に掛けて、感謝の穂掛け祭をしました。昔のとおりにススキ、いも、くり、枝豆、だんごなどを供え、秋の夜長のお月見。自然の大きさ、悠々さに触れる機会が少なくなった私たちにはたいせつなならわしです。だんご【団子】という言葉も、もともと檀供餅(たんぐもち)からきています。お月様や御先祖にお供えしたものです。


<大みそか>
大みそかは、昔は先祖祭の夜でした。一年のけがれを清めて先祖をまつり、今年の収穫を感謝し,新しい年の豊作を祈ったのです。『徒然草(つれづれぐさ)』には大晦日(おおみそか)の夜を「魂祭」と書いています。この夜の心身をきよめるという信仰が、百八の煩悩(ぼんのう)をとり除くという除夜の鐘として、いまに残っているのです。
家の内外の大掃除や新年の用意はなるべく早めにすませて、家族一同一緒にくつろいで、往(ゆ)く年の思い出をかみしめたいものです。そのためにも、家族全員がお仏壇の前に坐(すわ)って、ご先祖への感謝とともに、この一年間の家族の生活を報告し、来年の加護をいのりましょう。


<元旦>  
家族そろって新春のよろこびをご先祖に申しあげ、それぞれ今年の決意あるいは抱負を仏前に誓う。新春に家族全員で朗々(ろうろう)とお経を唱和するのは実に爽快(そうかい)なものです。

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<彼岸>
とくに心をこめて拝みましょう。お彼岸は、仏様を尊びご先祖を供養する日です。


<お盆>
ご先祖の霊がすべて家に集まる日です。素直な気持でもてなしましょう。

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<法事>
命日にあたるご先祖を供養するのが、法事です。仏壇の正面にそのご先祖の位牌を出し、お寺様を招いて、家族親族一同集まってその冥福(めいふく)をいのります。このようにしてこそ、ご先祖は浄土でやすらぐことができます。


<困難にぶつかり、いやな目にあったとき>
悩みや苦しみは、他人に打ち明けると、意外に心が軽くなるものです。仏様やご先祖にお話すると、新しい勇気が生まれてくるのです。もちろん、苦しみや悲しみは、自分の力で打ち勝っていかねばならないのですが、お仏壇の前に正坐(せいざ)して、自問自答し、あるいは無念無想になるまで念仏や読経すると、不思議に生きる強さが生まれてきます。


<うれしいことがあったとき>
私たちは仏様からいただくばかりの毎日です。そこで、うれしいことがあったときは、喜びを分かち合うために、お仏壇にご報告申し上げるのです。


<子供が生まれたとき>
仏様に無事の出生の感謝を申し上げ、子供の将来の幸福をおいのりいたします。


<入学、合格、卒業、就職など>
子供とともに、喜びを報告し、感謝を申し上げます。親子がそろってお仏壇に手を合わせることは、無言の教えになります。


<結婚>
喜びとうれしさを、まずお仏壇のご先祖にご報告申し上げ、これからの新生活の幸せをお願いします。


<新築>
以前は、家を建てたときは、お仏壇も新しくしました。自分たちだけが新しい住まいで、仏様の住まいが古くては申しわけない、と考えていたのです。ですから、今日でも新しく家を建てたときは、お仏壇をきちんと整えて、無事新築できたお礼と、これからの安全、繁栄をおいのりしたいものです。
以上、おまいりについて申しあげましたが、いくら高価なお仏壇を安置しても、日頃、扉を閉ざしてうとんじてしまっていたのでは、なんにもなりません。家庭にお仏壇を安置するということは、とりもなおさず、み仏につかえ、仏教徒としての自覚と信仰の喜びの日々をおくることのあかしです。

参考文献:「仏教おもしろ雑学(梧桐書院)」
posted by ごくらくや at 12:54 | 豆知識