位牌とは?

「位牌」
故人の霊の仮の宿
故人の霊をまつるために、戒名(かいみょう)や法名(ほうみょう)を記して、家庭の仏壇や寺院の位牌壇に安置する木製の牌を「位牌」という。例の「依り代(よりしろ)」と一般に考えられているようです。
位牌の起源は、仏教ではなく儒教です。
孔子(こうし)のころのしきたりでは、遺体はしばらく棺(ひつぎ)のまま屋敷に置いておき、実際に埋葬するのは三ヶ月から七ヶ月後でした。その後、埋葬をすませてから死者の霊を慰めるための儀式をしたのですがこのときに神霊をよりつかせる「依り代」をつくりました。これを「木主」とか「虞主」といったのですが、これが位牌の原形だといわれています。
日本では室町時代に禅宗で使い始められ、十六世紀に入って一般にひろまり、江戸時代にさらに普及していったようです。
ふつう、葬式では白木の位牌を用い、忌明けの四十九日に漆塗(うるしぬ)りの位牌に書き換えます。
現在、使われている位牌は二種類あります。


「札位牌(ふだいはい)」
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故人一人ひとり、単独に作られた位牌のことをいいます。
黒塗り、金箔を貼ったものなどがあります。
形は、蓮台(れんだい)をつけただけのものや、雲形(くもがた)や月などを彫刻した屋根をつけたもの、さらには唐草(からくさ)模様などを彫った両袖のあるものがあります。

「繰り出し位牌(くりだしいはい)」
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屋根や扉のついた位牌の枠があって、このなかに故人一人ひとりの戒名(法名)を記した長方形の板位牌を何枚かいっしょに納めるようになっているもの。
月忌、年忌にあたる位牌を、そのつどいちばん前にもってくるようにすれば、一基で何人もの位牌をかねることができます。
なお、「逆修墓(ぎゃくしゅうぼ)」と同じように、「逆修牌(ぎゃくしゅうはい)」というのもあります。生前に戒名・法名をつけてもらって、あらかじめ作っておく位牌のことです。この場合は戒名・法名の文字は朱で埋めておく習慣があります。
また、夫婦共に健在なときに逆修牌をつくることがあります。これは「寿牌(じゅはい)」といって、めでたいものとされます。

参考文献:日本人の「仏教のしきたり」ものしり辞典(大和出版)
posted by ごくらくや at 13:01 | 豆知識