お仏壇のかざり

お仏壇に描かれている蒔絵(まきえ)

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お仏壇には一段と格調高い優雅さをそえるのが、四季の絵柄の蒔絵(まきえ)です。うるしで文様(もんよう)を描き、それが乾かないうちに金、銀、錫(すず)などの金属粉や色粉を蒔(ま)きつけたものです。蒔いて絵をつくるところから「蒔絵」と名付けられました。
ご本尊を安置し、その上側になる部分は天になり、下側は地上をあらわします。ですから、天には天にふさわしい図柄、地上には地上にふさわしい図柄が描かれています。
引戸は、もちろん地上の位置になります。ですから、地上の平和のシンボルともいうべき花々を描き、さらに下の位置になる引き出しには水鳥を描きます。これは極楽の池の水鳥樹林をあらわします。ふつう、日本の豊かな季節を感じさせる花や木である桔梗(ききょう)、梅、牡丹(ぼたん)、松、楓(もみじ)、蓮(はす)、菖蒲(あやめ)、菊などを図案化します。
純金箔のお仏壇の内部にあって、漆黒の上に描かれた蒔絵は、お仏壇の品位を一段と高めます。


金具の文様(もんよう)

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仏教の工芸品には、本尊の入る厨子(ずし)とか笈(きゅう)(山伏の負うもの)に金具がありこれが独特の芸術品完成を示しています。
仏壇の金具も、お仏壇をよりいっそう強くし、豪華に引きたてるためにつけられてます。いたみやすい部分を補強して耐久性を高めたり、飾りとして全体の調和を深める役割を果たし、実用と装飾を兼ねたものです。
たとえば、あるお仏壇には、百八十五個もの金具がついています。ひとつひとつが定まった位置につけられ、そこだけしか納まらない個性的な絵柄と形をしています。どれかひとつをほかの位置に置きかえることもできませんし、ひとつも欠くことができない厳格さです。百八十五個が一組になって、全体を整えているのです。
お扉、お障子、ご宮殿をささえる柱などについているのは「箱型金具」です。寺院の柱などにも使われている唐草文様(からくさもんよう)使われています。
絵柄はご宮殿の上の長押(なげし)の部分に雲と鶴(つる)など、須彌壇(しゅみだん)をささえる中段の部分には菊花などが描かれます。小さな金具のひとつひとつにも、ご本尊を中心とした天と地の配置が考慮されているのです。
透かしによる立方体を浮彫り、繊細な線、厚く、薄く、しかも強く、直線の鋭さと曲線の優雅さが織りなす小さな芸術品といえます。

参考文献:「仏教おもしろ雑学(梧桐書院)」
posted by ごくらくや at 12:57 | 豆知識