お仏壇のおまいり方法

お仏壇のおまいりの方法について

信心のあつい土地や、老人の元気な家庭で育った子供は、お仏壇におまいりすることが、欠かすことのできない日課となって、自然とその方法を習得しているものですが、現代のように核家族化が進むと、そういう環境で育つ子供が少なくなりました。若い人のなかには、お仏壇におまいりする方法も知らない人がふえてきています。
曹洞宗宗務庁の発行した『お仏壇のおまいりの仕方』という冊子から「おまいりの仕方」の項を引用させていだだきます。
お仏壇のおまいりの仕方は、各宗派によって異なりますが、各宗派とも、それぞれこのような小冊子を発行していますので、お求めになっておくとよいでしょう。

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洗面をすませ、仏壇の前にゆき、まずローソクに火を点じます。線香に火をつけたならば、ちょっとおしいただいて、お上げします。そして“りん”を二つほど打ちます。線香の本数はふつう一本でよろしいのですが、家族が二人なら二本あるいは三人なら三本あげても結構です。別に何本でなければならないというキマリはありません。
もし、香爐(こうろ)にお香をたくならば、まず一つまみし頂いて火にくべ、次におし頂かないで一つまみ火にくべます。つごう二回という形になります。
さて、線香を上げたならば、居(い)ずまいを正して坐(すわ)ります。手は下腹のところに組んで深呼吸を二、三べんして気持を統一します。
次に両掌(りょうて)を合わせ、鼻(び)端に自然に立てて合掌し、無心に頭を下げて礼拝します。この時のお唱えごとですが「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」と低声に称(とな)えるのがよろしいでしょう。三回、ないし五回と同じようにくりかえし称えると気持ちが通じます。
本来、三宝唱名といって「南無帰依仏(なむきえぶつ)、南無帰依法(なむきえほう)、南無帰依僧(なむきえそう)」と仏法僧(ぶつぽうそう)の三宝におまいりする意味になりますが、曹洞宗の本尊様は三法帰一(さんぽうきいつ)のお釈迦様ですから「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」とお称えてよろしいのです。
このたび、宗門においてお釈迦様を中心として高祖道元禅師(どうげんじ)様と太祖けい山禅師(けいざんぜんじ)様(このお二方を両祖と申し上げます)をご一緒におまつりした三尊仏御尊像の御両軸が一宗制定のものとして立派に謹製せられ、菩提寺(ぼだいじ)を通じて御本山からお受けできるようになりました。このお軸をおまつりしておまいりする時には、ていねいにそれぞれの御名をお唱えすると礼拝の気持ちがいっそう通じます。
「南無大恩教主本師釈迦牟尼仏(なむだいおんきょうしゅほんししゃかむにぶつ)、南無高祖承陽大師(なむこうそじょうようだいし)、南無大祖常済大師(なむたいそじょうさいだいし)、南無大慈大悲哀愍摂受(なむだいじだいひあいみんしょうじゅ)、生々世々値偶頂戴(しょうしょうせせちぐうしょうだい)と唱えます。
しかし、前に述べましたように、三尊仏は両祖さまが釈迦牟尼仏に蔵身されますから単に「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」とお唱えするだけでもよろしいのです。
本宗は念仏や題目のように一仏もしくは一経の御名をくりかえし唱え、それによって功徳(くどく)をうける行き方とちがって、仏に帰依(きえ)するまごころをあらわす唱えごとですから、一つに限定する必要はないのです。お唱えしてみて、最もしみじみとおまいりできるものをえらんでお唱えしてください。一ぺんでもなんべんでもよろしいのです。肝心(かんじん)なことは、端坐(たんざ)して身と心とをととのえ、一切の雑念(ざつねん)をはらって、専一に合掌礼拝することであります。
もちろん、み仏に懺悔(ざんげ)することや、お誓いすることや、お願いすることはいずれのことを憶念(おくねん)してもよろしいですが、まず一だびは無心に空の気持ちになっておまいりすることが肝要です。端坐(たんざ)と礼拝は無我相(むがそう)なりといわれるように、世の中のことでこれほどまじり気なく純粋な気持ちのときはないでしょう。
このような心の状態を帰仏と申します。したがって、本宗のおまいりの姿を一口に申せば、端坐(たんざ)、合掌、帰仏(きぶつ)というおぼえやすいことばでいいあらわせます。
【『お仏壇におまいりの仕方』曹洞宗宗務庁発行より】
参考文献:「仏教おもしろ雑学(梧桐書院)」
posted by ごくらくや at 12:50 | 豆知識